『黒執事』には数多くの魅力的なキャラクターが登場しますが、その中でも特にアニメ版で印象的な活躍を見せるのが、エリザベスのメイド「ポーラ」です。
鈴を「しゃんしゃん♪」と鳴らす可愛らしい仕草や、主人を想う誠実な姿が多くのファンの心を掴んでいます。
しかし、実はポーラはアニメと原作漫画で大きく扱いが異なるキャラクターでもあります。
「アニメでよく見るけど、原作ではどうなの?」
「ポーラってどんなキャラクター?」
そんな疑問をお持ちの方のために、この記事ではポーラのプロフィールを徹底解説します。
アニメ版と原作版の違い、性格や特徴、リジーとの関係性まで、ポーラの魅力を余すことなくお届けします。
ポーラとは
ポーラは、アニメ『黒執事』に登場するミッドフォード公爵家に仕える侍女です。
主人公シエル・ファントムハイヴの婚約者であるエリザベス・ミッドフォード(リジー)の専属メイドとして、彼女に誠実に仕えています。
基本プロフィール
声優: 伊月ゆいさん
外見的特徴:
- 茶色の髪(ロングヘア)
- 白い肌
- 整った顔立ちの若い女性
- 茶色をベースとした服装が多い
初登場:
- アニメ第1期第10話「その執事、氷上」
- 原作漫画では13巻の「豪華客船編」(リジーの回想シーン)
性格と特徴
ポーラは明るく誠実な性格の持ち主です。
おしとやかで大人な雰囲気を持ちながらも、子供のような無邪気な一面も併せ持っています。
特徴的なのは、お気に入りの鈴を「しゃんしゃん♪」と鳴らす仕草です。
これは落ち込んだリジーを元気づけるために使われることもあり、ポーラの優しさが表れています。
主人であるリジーのことを心から大切に思っており、セバスチャンがシエルに対して使うのと同様に、「イエス、マイレディ」という言葉で応えます。
リジーからも全幅の信頼を寄せられており、主従関係は非常に良好です。
アニメと原作での違い
ポーラのキャラクター性には、アニメと原作で大きな違いがあります。
アニメ版:
- 第1期から登場し、第2期にも引き続き出演
- 登場頻度が多く、比重も大きい
- 天然で過度に肯定的な性格として描かれる
- 女性キャラクターが少ない作品の特性上、水着や下着姿で登場するシーンもあり、色気担当的な役割といわれる
- 鈴のエピソードなど、アニメオリジナルの要素が多数
原作漫画:
- 13巻の「豪華客船編」で初登場
- リジーの回想シーンに登場し、ファントムハイヴ本邸襲撃事件をリジーに伝えた人物として描かれる
- 登場シーンは少なく、アニメほど目立った活動はしていない
- おとなしい性格として描写されている
アニメ第1期と第2期はほぼアニメオリジナルストーリーのため、ポーラの扱いも原作とは大きく異なっています。
主な登場エピソード
アニメ第1期第10話「その執事、氷上」:
リジーのお供として氷上マーケットを訪れた際、鈴を購入します。
この鈴はシエルの誕生日プレゼントとしてリジーに薦めましたが却下されたものでした。
その後、気落ちしたリジーを鈴を鳴らして元気づけようとする姿が描かれています。
ウェストン校の寮対抗クリケット大会:
リジーの傍らに立ち、一緒にシエルを応援していました。
リジーとの関係性
ポーラはリジーに対して深い忠誠心と愛情を持っています。
リジーがシエルを思う気持ちを温かく見守り、常に誠意をもって尽くす姿勢は、単なる主従関係を超えた絆を感じさせます。
ファンの間では、ポーラの目つきや呼び方から、リジーに対して友情以上の感情を持っている可能性を指摘する声もあります。
ただし、公式設定では明確に語られていないため、その関係性の解釈は視聴者それぞれに委ねられています。
19世紀における侍女という職業
『黒執事』の舞台は19世紀のイギリスです。
この時代、貴族に仕える女性の職業は現代とは大きく異なる社会的位置づけを持っていました。
ポーラのようなキャラクターをより深く理解するために、当時の侍女の実態を見てみましょう。
侍女の種類と役割
19世紀のイギリスでは、貴族に仕える女性は職務内容によって細かく区別されていました。
レディズ・コンパニオン(Lady’s Companion):
貴婦人の話し相手や付添人として雇われた女性です。
雇用主と同程度か少し下の階級出身者が選ばれ、住み込みで働くことが一般的で、話し相手や付き人として雇われました。
独身女性や未亡人、娘のいない既婚女性の相手役・監督役として、社交や外出時にお伴をする役割を担っていました。
レディ・イン・ウエイティング(Lady-in-waiting / 女官):
王室などの最上流階級に仕える女性で、宮廷での生活を通じて王族との縁談の機会を得ることもありました。
メイド(Maid):
ヴィクトリア朝時代になると、家庭内の使用人制度が細分化され、「メイド」は専門的な職業として確立しました。
貴婦人付きメイド、部屋掃除専門、応接室担当、調理補助など、業務内容によって職種が分かれていました。
当時の社会背景
19世紀は厳格な階級社会であり、上流・中流階級の女性が働ける職業は極めて限られていました。
家庭教師(governess)、著述家、そしてコンパニオンなどが数少ない選択肢でした。
また、女性は「家庭の天使」として家を守ることが美徳とされた時代です。
多くの貴婦人が自宅で過ごす時間が長かったため、話し相手となるコンパニオンの需要は高かったのです。
侍女の具体的な仕事
コンパニオン、メイド共通の例
当時の侍女が担っていた業務は多岐にわたりました:
- 主人の身支度や入浴の手伝い
- 衣服の手入れや裁縫
- 外出や旅行の際の付き添いと準備
- フランス語などの外国語が話せる場合は通訳も兼任
侍女という職業は単純な使用人ではなく、教養や社交性が求められる専門職でした。
ポーラの立場
ミッドフォード公爵家に仕えるポーラは、作中ではリジーの専属メイドとして描かれています。
「イエス、マイレディ」という応答や、リジーの外出に常に同行する姿は、まさにレディズ・コンパニオン的な役割を果たしていると言えるでしょう。
リジーを深く想い、その心情を理解しようとするポーラの姿勢は、単なる雇用関係を超えた、当時の侍女が持ち得た主人との特別な絆を表現しているのかもしれません。
まとめ
ポーラは『黒執事』において、アニメと原作で扱いが大きく異なるキャラクターです。
アニメでは明るく天然な性格で頻繁に登場する一方、原作では控えめな登場に留まっています。
しかし、どちらにおいても、リジーを大切に思う誠実なメイドという核心部分は共通しており、リジーを支える重要な存在として描かれています。
アニメオリジナル要素が多いキャラクターだからこそ、アニメと原作の両方を楽しむことで、ポーラの多面的な魅力を発見できるでしょう。

少し母親の要素のある年上のお姉さんに思えます。





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