バルドは見た目と裏腹な深みを持つキャラクター
『黒執事』に登場するバルドは、一見すると失敗ばかりの料理人として描かれるコメディリリーフ的存在です。
しかし、その豪快な性格と型破りな行動の裏には、戦場での過去という重厚な背景が隠されています。
使用人トリオのリーダー格として物語を彩る彼は、単なる脇役ではなく、作品に欠かせない魅力的なキャラクターとなっています。
なぜバルドは人気なのか?
バルドが多くのファンに愛される理由は、そのギャップにあります。
料理人でありながら兵器を使って調理するという常識外れな行動、無精髭とタバコが似合うワイルドな外見と「オヤジ少年」と称される内面のギャップ、そして原作32巻で明かされた過去の物語。
これらすべてが組み合わさることで、バルドというキャラクターは立体的で奥深い存在になっているのです。
バルドの詳細プロフィールと魅力
それでは、バルドというキャラクターについて、詳しく見ていきましょう。
基本プロフィール
バルドは、人気漫画『黒執事』に登場するキャラクターです。
ファントムハイヴ家に仕える使用人の一人で、料理人という肩書きを持っています。
声優: 東地宏樹(とうち ひろき)さん
通称: バルド(Baldroy)
身長: 180cm
出身: アメリカ
年齢層: 中年(36~46歳といわれる)
担当: 料理人(シェフ)
アニメでは東地宏樹さんが声を担当しており、バルドの豪快さと渋さを見事に表現されています。
180cmという長身と、アメリカ出身という背景も、彼のキャラクター性を際立たせる要素となっています。
外見的特徴:ワイルドな魅力
バルドの外見は非常に特徴的で、無精髭を生やしたワイルドな風貌が印象的です。
常に煙草を咥えている姿がトレードマークとなっており、いかつい雰囲気を醸し出しています。
料理人という職業柄、衛生面から考えれば問題があるはずですが、それすらも気にしない豪快な性格が表れています。
作者の枢やな先生は、彼のキャラクター性を「オヤジ少年」と表現しており、外見の男らしさと内面の少年性が共存した魅力的な人物として描かれています。
この独特な表現は、バルドの持つ二面性を端的に表しています。
見た目は完全に「オヤジ」なのに、行動や考え方には少年のような純粋さや無邪気さが垣間見えます。
料理人としての実力:壊滅的な腕前
料理人という重要な役職にありながら、バルドの料理の腕前は壊滅的です。
彼が作る料理はいつも真っ黒に焦げてしまい、まともな料理を完成させたことがほとんどありません。
これだけでも問題なのですが、さらに深刻なのは、彼の調理方法です。
バルドは通常の調理器具を使わず、火器や爆発物といった兵器類を調理に用いるため、キッチンへの被害が甚大になることがしばしばあります。
火加減の調整という料理の基本中の基本を、彼は爆発の威力で行おうとするのです。
当然ながら、そのような方法でまともな料理ができるはずもなく、度々キッチンは戦場のような有様になってしまいます。
この常識外れな調理方法は、作品内でのコメディ要素として機能していますが、同時に彼の過去を暗示する重要な伏線にもなっています。
なぜ料理人が兵器の扱いに慣れているのか、なぜ普通の調理器具ではなく爆発物を使おうとするのか。
その答えは、彼の過去に隠されています。
使用人トリオでの立ち位置:頼れるリーダー
ファントムハイヴ家の使用人であるフィニアンやメイリンと共に「仲良し使用人トリオ」を形成しており、その中では最年長として位置づけられています。
三人で行動する際には、リーダー的な役割を担うことが多く見られます。
年長者としての責任感と、仲間を引っ張っていく力強さを持ち合わせています。
ただし、職務への姿勢については、他の二人と比較すると不真面目な面が目立ちます。
フィニアンとメイリンが曲がりなりにも真面目に仕事に取り組もうとするのに対し、バルドはより気楽な態度で職務に臨む傾向があります。
この適当さもまた、彼のキャラクター性を形作る重要な要素となっています。
三人が揃うと、ファントムハイヴ家は大混乱に陥ることが多いのですが、その中でもバルドは中心的な存在として描かれます。
彼のリーダーシップは、時に頼りなく見えることもありますが、仲間を守る場面では確かな強さを発揮します。
バルドの過去:明かされた真実

2022年に発売された原作漫画32巻では、バルドの過去が詳しく描かれています。
この過去編によって、なぜ彼が兵器を使って調理をするのか、そしてどのような経緯でファントムハイヴ家に仕えることになったのかといった謎が明かされることとなりました。
彼の過去には戦場での経験が関係しており、現在の豪快で型破りな性格や行動の背景が理解できる重要なエピソードとなっています。
戦場という過酷な環境で生きてきた彼にとって、兵器は日常的な道具であり、それが料理という平和な行為にも持ち込まれてしまっているのです。
この過去編は、バルドというキャラクターに新たな深みを与えました。
単なるコメディキャラクターではなく、辛い過去を乗り越えて今を生きる人物として、読者の見方が変わるきっかけとなったのです。
なお、この32巻の内容は2025年10月時点ではまだアニメ化されていません。
アニメファンの方々は、原作を読むことで初めてバルドの真の姿を知ることができます。
作品における役割:欠かせない存在
バルドは物語においてコミカルな要素を提供する重要なキャラクターです。
彼の型破りな調理方法や失敗続きの料理シーンは、作品に軽快なユーモアをもたらしています。
『黒執事』という作品は、ダークな要素も多く含まれていますが、バルドのような明るいキャラクターの存在が、物語全体のバランスを保つ役割を果たしています。
同時に、使用人トリオの一員として、ファントムハイヴ家の日常を彩る存在でもあります。
執事セバスチャンの完璧さとは対照的に、バルドたち使用人は失敗ばかりですが、それが人間味を感じさせ、物語に温かみを与えています。
バルドは多面的な魅力を持つキャラクター
その豪快な性格とアメリカ出身という背景、そして原作32巻で明かされた過去のストーリーは、キャラクターに深みを与え、読者の興味を引き続けています。
バルドは単なるコメディリリーフではなく、重厚な背景を持つ多面的なキャラクターとして描かれています。
表面的には失敗ばかりの料理人に見えますが、その裏には戦場での経験という重い過去があり、仲間を守る強さと優しさを併せ持っています。
この複雑さこそが、バルドが長年愛され続けている理由なのです。
『黒執事』という作品を楽しむ上で、バルドの存在は欠かせません。
彼のエピソードを通じて、作品の持つ多様な魅力を再発見することができるでしょう。

ワイルドで楽しそうなキャラクターです。





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