『黒執事』- ダークファンタジーの金字塔として世界を魅了する物語

19世紀末のヴィクトリア朝イギリスを舞台に、悪魔の執事セバスチャンと若き貴族シエル・ファントムハイヴが織りなす『黒執事』。

2006年の連載開始以来国内外で大ヒットを記録し、アニメ、舞台、映画と多岐にわたるメディア展開を果たしてきた。

本記事では、『黒執事』の魅力を、作品のあらすじや登場人物の詳細、声優情報、アニメシリーズの見る順番、受賞歴まで徹底的に紹介する。

独特の世界観と、緻密に構築されたストーリーをぜひご堪能いただきたい。

ヴィクトリア時代とは、ヴィクトリア女王の治世下にあった1837年から1901年までのイギリスの時代区分である。
この時期は、産業革命がもたらした経済成長が頂点に達し、大英帝国が最盛期を迎えた時代として位置づけられている。

作品概要とあらすじ

『黒執事』は日本の漫画作品で、2006年10月号より『月刊Gファンタジー』（スクウェア・エニックス刊）で連載が開始され、現在も継続中である。

19世紀末期のヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台とし、「ダークファンタジーの金字塔」と称される作品として、国内外で高い人気を誇る。

本作は、名門貴族ファントムハイヴ家の若き当主と、彼に仕える悪魔の執事が、女王の密命を受けて裏社会の難事件を解決していく物語である。

ファントムハイヴ家は代々、表向きは名門貴族でありながら、裏では「女王の番犬」として警察が手を出せない事件や不穏分子の排除を担う、特殊な役割を担っている。

物語の主人公であるシエルは、かつて両親を失い、自らも囚われの身となった悲惨な過去を持つ。

その復讐を果たすため、彼は悪魔であるセバスチャンと魂を対価とする契約を結んだ。

この契約により、セバスチャンはシエルの命令に絶対服従し、完璧な執事として彼を支える一方で、いずれシエルの魂を得ることを目的としている。

作中では、猟奇殺人事件、寄宿学校での失踪事件、豪華客船での不可解な事件など、様々な怪事件が描かれる。

完璧な執事と天才的な頭脳を持つ少年当主という対照的な二人が、ヴィクトリア朝の闇を抱えた社会で活躍する姿が本作の大きな魅力となっている。

枢やな先生は、2004年に『月刊Gファンタジー』掲載の『9th』でデビューし、2005年に『Rust Blaster』で初連載を果たした後、2006年から『黒執事』の連載を開始した。

また、2020年にはアニプレックスとウォルト・ディズニー・ジャパンのモバイルゲーム『ディズニーツイステッドワンダーランド』にて、原案・メインシナリオ・キャラクターデザインを担当している。

シリーズ累計部数は海外分を含めて当初1600万部を突破し、2023年12月時点では3500万部超、2025年4月時点では3600万部を突破している。

現在は42の国と地域で発刊されており、世界的な人気作品となっている。

『黒執事』は数々の賞にノミネート・受賞している：

2008年：第54回小学館漫画賞少年漫画部門にノミネート
2010年：ジャパン・エキスポ・アワード最優秀少年マンガ部門を受賞（ジャパン・エキスポはヨーロッパ最大規模の日本関連イベントで、マンガやアニメのコスプレ大会、マンガ家のサイン会などが行われる）
2011年：ドイツのAnimagic（アニマジック）にてBest International Manga賞を受賞（アニマジックはヨーロッパ最大規模のアニメ・漫画コンベンション）