「ホホホ」と笑いながらお茶を啜る三頭身の姿で、『黒執事』ファンの心を和ませるタナカさん。
しかし、その愛らしい外見の裏には、セバスチャンをも上回る格上の家令(ハウススチュワード)としての地位と、日本刀を操る達人としての実力が隠されていることをご存知でしょうか?
普段はのんびりとお茶を楽しんでいるタナカさんですが、実は先々代からファントムハイヴ家に仕える古参中の古参。
柔術(バーティツ)と剣術の使い手であり、緊急時には長身の本来の姿で執事長としての凄腕を発揮します。
さらに、タナカさんには原作者・枢やな先生と俳優・藤村俊二さん(おヒョイさん)との心温まるエピソードも。
幼少期からの憧れの人物をモデルに創造されたキャラクターを、ご本人が演じるという奇跡のような出来事もありました。
本記事では、そんなタナカさんの知られざるプロフィール、隠された実力、そして誕生秘話まで、徹底的に掘り下げてご紹介します。
あなたが知らなかったタナカさんの魅力が、きっと見つかるはずです。
タナカさんとは?
『黒執事』に登場するタナカさんは、ファントムハイヴ家の家令(ハウススチュワード)です。
普段は三頭身にデフォルメされた姿で「ホホホ」と笑いながらお茶を啜っている姿が印象的なキャラクターですが、その正体は元執事長という重要な立場にあります。
家令と執事の違い
意外と知られていないのが、タナカさんの身分です。
実は家令は執事のセバスチャンより上位の役職。
家令は家政全般を管理する最上位の統括者であり、執事は使用人全体を統括する管理職という位置づけです。
つまり、タナカさんは屋敷内のヒエラルキーにおいて、セバスチャンよりも格上の存在なのです。
タナカさんのプロフィール
基本情報
- 身長:165cm(推定)
- 髪色:グレー
- 特徴:メガネ(片眼鏡/モノクル)着用
- 勤続年数:先々代からファントムハイヴ家に仕える
- 日本人と推測される
経歴
タナカさんは「先々代よりファントムハイヴ家に仕える身」と本人が語っており、おそらく幼少の頃から使用人として住み込みでファントムハイヴ家に育てられたと考えられます。
現当主シエルの祖母の代から、この名家を支えてきた人物です。
隠された実力 – 本気のタナカさん
普段ののんびりした姿からは想像できませんが、タナカさんは柔術(バーティツ)と剣術の達人です。
バーティツ(bartitsu:バートン流柔術)とは?
バーティツは19世紀末のイギリス人エンジニア、エドワード・ウィリアム・バートン=ライトが考案した護身術。
日本で学んだ柔術や講道館柔道などの東洋武術と、西洋のボクシング、サバット、ステッキ術などを組み合わせたものです。
『シャーロック・ホームズ』の「空き家の冒険」(1903年)でホームズが使用した武術としても知られています。
驚異的な剣術
緑の魔女編では、撃たれた弾丸を日本刀で真っ二つに切るという離れ業を披露。
長身痩躯の本来の姿に戻ったタナカさんは、年相応に落ち着いた雰囲気を携えながらも、執事長として遜色ない仕事ぶりを発揮します。
タナカさんの過去 – 3年前の襲撃事件
現在のタナカさんが隠居状態にある理由は、3年前の襲撃事件にあります。
シエルの両親が殺害された際、タナカさんも重傷を負いましたが、幸運にも一命を取り留めました。
この事件以降、執事長の証をセバスチャンに託し、家令として後方支援に回っています。
OVA『Book of Murder』での活躍
原作漫画:『黒執事』第9巻から11巻「幽鬼城殺人事件編」
普段はボケているようにも見えるタナカさんですが、OVA『黒執事 Book of Murder』では違った一面を見せます。
セバスチャン不在時には、普段のおっとりした様子とは異なり、非常にテキパキと有能な執事として行動。
屋敷内の隠し通路や構造について正確な知識を披露し、事件解決に貢献します。
これは、緊張状態になると若かりし頃のように本来の能力を発揮できる、という興味深い特徴を示しています。
声優とモデル – 藤村俊二さんへの思い
タナカさんのキャラクターには特別なエピソードがあります。
原作者の枢やな先生は、俳優の藤村俊二さん(おヒョイさん)をモデルにタナカというキャラクターを創造しました。
そして、アニメ化にあたり、なんと藤村さんご本人がタナカさんの声を担当されました。
枢先生は藤村さんの訃報に際し、Xでこう追悼されています:
「タナカは幼少より憧れの老紳士であった藤村俊二さんをモデルに作ったキャラでした。アニメでは藤村さんご本人に声を吹き込んで頂き、これ以上ないほど光栄でした。藤村さんなくして今の黒執事はありません」
(枢やな_Staff, 2017年2月1日, X)<https://x.com/toboso_official/status/826687420460462080>
藤村さんは2017年1月25日に82歳で逝去。
劇場版公開の4日後のことでした。
寄宿学校編からは、ドラマCDでキャスティングされていた麦人さんが後任を務めています。
タナカさんの魅力

タナカさんの人気の秘密は、そのギャップにあります。
- 普段:三頭身でお茶を啜る癒し系
- 本気:長身で有能な武闘派家令
この二面性が、読者・視聴者を魅了し続けています。
「タナカさんはいつも通りで結構です」というセバスチャンの言葉通り、普段はのんびり過ごしていますが、いざという時の頼もしさは折り紙付き。
年齢的には、お家に有事でもない限り、隠居して穏やかに過ごしたいという気持ちもあるのでしょう。
しかし、ファントムハイヴ家への深い忠誠心から、必要な時には必ず力を発揮する。
そんなタナカさんの姿勢が、多くのファンの心を掴んでいます。
まとめ
『黒執事』のタナカさんは、単なる脇役ではありません。
セバスチャンよりも格上の家令であり、先々代からファントムハイヴ家を支えてきた重要人物。
柔術と剣術の達人という隠れた実力を持ち、いざという時には頼れる存在です。
藤村俊二さんをモデルとし、ご本人が声を担当されたという特別なキャラクターでもあります。
「ホホホ」という笑い声と共にお茶を啜る姿は、『黒執事』の世界に欠かせない癒しの存在。
タナカさんなくして『黒執事』は語れません。

メイリンとの連携では、敵に離れ業を見せました。





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