『黒執事』に登場するエリザベス・ミッドフォード(通称リジー)は、一見すると典型的な貴族のお嬢様キャラクターに見えますが、実は物語の中で最も劇的な成長を遂げるキャラクターの一人です。
フリフリのドレスと金髪縦ロールという可愛らしい外見の裏に、驚くべき秘密を隠している彼女。
その魅力を徹底解説します!
エリザベスの基本プロフィール
主人公シエル・ファントムハイヴの許婚として登場する彼女は、ミッドフォード侯爵家の令嬢。
お付きの侍女はポーラ。
1874年10月14日生まれで、物語開始時は13歳。
シエルより一歳年上で、父方の親族として従姉弟の関係にあります。
身長154cmの小柄な体格に、豪華な縦ロールの金髪が印象的です。
アニメでは田村ゆかりさんが声を担当。
フルネームは「エリザベス・エセル・コーディリア・ミッドフォード」という長い名前を持ちますが、作中では親しみを込めて「リジー」と呼ばれています。
名門ミッドフォード家の血筋
エリザベスが生まれ育ったミッドフォード家は、イギリス騎士団と深い関わりを持つ武門の名家です。
父アレクシス・レオン・ミッドフォードは騎士団の団長を務め、兄エドワードも騎士団に所属しています。
母フランシスもまた剣の達人として知られる人物です。
こうした環境で育った彼女が、後に見せる驚異的な剣の腕前も納得できる家系と言えるでしょう。
愛らしさ全開の性格
エリザベスといえば、その底抜けに明るい性格が魅力です。
少し天然なところもあり、時として周囲の空気を読まない行動に出ることも。
それでも彼女の純粋な愛情表現は、暗い過去を背負うシエルにとって心の支えとなっています。
特筆すべきは「可愛いもの」への強いこだわり。
ロリータファッションをはじめとする可愛らしいものには目がなく、逆に自分が「可愛くない」と判断したものには拒絶反応を示すほどです。
シエルと会う時も、わざわざヒールの低い靴を選ぶという細やかな配慮を見せています。
封印された剣の才能
そんな可愛らしさ一辺倒に見えるエリザベスですが、実は驚くべき才能を秘めています。
それは母フランシスをも凌ぐとされる、天賦の剣術の才能です。
才能を隠した理由
なぜ彼女はその才能を封印していたのでしょうか。
きっかけは幼い頃のシエルの何気ない一言でした。
「強い女の人は怖い」――この言葉を聞いたエリザベスは、シエルに愛される「か弱くて可愛い女性」であり続けようと決意します。
婚約者の前で剣を抜くことを極端に避け、誰よりも「可愛らしさ」にこだわるようになったのは、この出来事が原因だったのです。
守られる存在から守る存在へ
しかし、シエルの両親が殺害され、彼自身も一時失踪するという悲劇が起こります。
この事件を機に、エリザベスの心境に変化が訪れました。
「シエルに守ってもらうだけでなく、私がシエルを守りたい」――この想いから、彼女は再び剣の修練を始めます。
ただし、シエルの前で剣を見せることへの抵抗は依然として強く残っていました。
豪華客船編で見せた真の姿
エリザベスが秘めていた力を初めて解放したのが「豪華客船編」です。
この物語は単行本11~14巻に収録され、2017年1月には『劇場版 黒執事 Book of the Atlantic』として映画化されました。
偶然乗り合わせた豪華客船カンパニア号で、シエルが命の危機に瀕します。
動く死体人形「ビザール・ドール」が次々と襲いかかる絶体絶命の状況。
この時、エリザベスはついに決断します。
愛する人を守るため、彼女は初めてシエルの前で剣を抜きました。
そして圧倒的な剣技で、無数の敵を次々と斬り倒していきます。
その戦闘シーンは映画版でも特に力が入れられており、剣の軌跡を美しく表現するために膨大な作画枚数が費やされたといわれます。
可愛いドレス姿のまま、怒涛の勢いで敵を薙ぎ払う姿は、まさに圧巻の一言です。
エリザベスというキャラクターの深み
彼女の魅力は、表面的な可愛らしさだけではありません。
「か弱い女性」を演じながらも、どこか漏れ出てしまう強さと芯の強さ。
天真爛漫に振る舞っていても、その奥底には深い愛情と覚悟が隠されています。
守られたいという願望と、守りたいという決意。
可愛くありたいという想いと、強くなければという使命感。
これらの相反する感情を抱えながら、それでもシエルへの愛を貫く姿には心を打たれます。
まとめ
エリザベス・ミッドフォードは、『黒執事』の中でも特に成長が描かれるキャラクターです。
フリフリのドレスに身を包んだお嬢様から、愛する者のために剣を取る戦士へ。
その変化こそが、多くのファンを魅了し続ける理由なのでしょう。
豪華客船編での彼女の活躍は、一度見たら忘れられない名シーンとして、今も語り継がれています。

彼女の明るさは、天性の元気さから来るのでしょう。





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